第53章 警告※
「中学以来だね。
まさか…僕の誘いを断って…
聖知が海常を選ぶとは思わなかったよ。」
「…赤司君が洛山高校を選んだ理由があるように…
私も海常高校を選ぶそれだけの理由があった。
それだけのことだよ。」
「……そうか……なるほど…
聖知は…ずいぶんと変わったようだね。
試合が終わったら少し話そう。」
赤司は眼を細めて聖知の表情を観察し気に入らない様子で淡々と告げる。
中学時代とは異なり聖知の瞳は死んでる様子はなく…真に強い意志をもつその瞳を冷たい表情で見つめていた。
赤司君は中学の頃から変わらない。
氷のような冷たい表情…
全てを見透かす様な瞳…
試合が終わるまで…
何事もないと良いんだけど……
聖知は、洛山一行を体育館へと…更衣室へと順番に案内する。
「試合は13時20分からです。
それまでに体育館へ集まってもらう様…
お願いします。」
「あぁ……わかった。」
聖知はレギュラー全員に一礼すると体育館へと戻っていく。
「征ちゃん、あの女の子が婚約者なの?
めちゃくちゃ可愛いじゃない。」
「ほんとっ!ほんとっ!
めちゃくちゃレベル高いじゃん!
さすが、赤司って感じ!」
「名前は…水瀬聖知…
試合が終わってから転入の話は詰めるつもりだ。
試合のゲームプランは昨日話した通り…
僕はスターターから出る。」
聖知が去ると実渕や葉山が赤司に近づく。
赤司は聖知の名前だけ紹介すると相手チームの名簿の笠松の名前を見て不快感極まりない怒りに満ちたた表情で片手で紙をくしゃくしゃにしてゴミ箱に放り投げる。