第53章 警告※
「そろそろ時間だ。
水瀬…正門に行くぞ。」
「あ、はいっ!」
午後12時50分
洛山高校が到着するまであと10分
武内監督はいつもと格好とは違い高そうなスーツに身を包み、時計を見て聖知と一緒に正門前へと向かう。
「なぁ…監督まで正門に行ったのか?」
「まぁ……今日は相手が相手だからな…
IH連続優勝校…洛山…
実力はあくまで向こうが上だ…」
「あれ…笠松先輩…えらく弱気っスね?
まぁ…俺も赤司っちとは初めて戦うっスけど…」
森山と笠松が試合前に話をしていると黄瀬が妙に突っかかるのを見て笠松は眉を顰める。
一昨日の聖知を巡っての諍いに黄瀬がこだわっていると考え黄瀬に向き直る。
「事実を言っただけだ。
おい…黄瀬…わかっているとは思うが…」
「わかってるっスよ…
今は私情は挟まない…
練習試合じゃなくて公式戦のつもりで挑むっすよ。」
「ならいい…
ぜってえ勝つぞ。」
試合前の緊張感の中、海常レギュラーは洛山が到着する目前…試合に対する闘志は十分に燃え上がっていた。
「やぁ……久しぶりだね。
聖知……」
「……赤司君……」
正門に着くと既に到着しており、監督同士挨拶を交わす。
元チームメイトの旧友の仲で久しぶりの再会に会話を弾ませている。
そんな中…赤司がゆっくり聖知へと近づく。