第52章 婚約者
「っ…あの……それって…///」
「っ……そろそろ…帰るぞっ…///」
笠松は聖知を離すとしばらくお互い顔を赤らめて沈黙になる。聖知の方から恥ずかしそうにゆっくり声をかけると笠松は照れくさそうに顔をそらし聖知の手を繋ぐ。
「はい…///」
さっきまでの胸の痛みや不安感が嘘のようになくなり一緒に公園を出てマンションへと向かう。
「…忘れ物はないですか…?」
「っ…ね…ねえよっ…///」
マンションに着いてから笠松は聖知の顔をまともに見れず、自分の荷物を持ち部屋を出ようとする。明らかに公園での話を意識して聖知はまともに見てくれない笠松にゆっくり後ろから背中に抱きつく。
「Σっ…聖知っ…なっ…何してんだっ!//////」
「……さっき言えなかったので…
幸男さんの…気持ち…すごく…
嬉しかったです…//////」
「っ…!
おい…///
それって……///」
「き…気をつけて帰ってくださいね///
お…おやすみなさいっ…///」
「待てよっ……
言い逃げしてんじゃねえ…///」
後ろから抱きつきながら笠松の伝えた言葉の返事を返すように伝えると聖知は恥ずかしくなり逃げるように離れようとすると腕を掴まれギュッと抱きしめられる。
「聖知……俺はいつでも力になる…
だから…今日みたいに不安なことがあれば…
なんでも話してくれ……」
「っ…は…はいっ…んっ…
っ…んっ…っ…///」
聖知が返事をする間もなく玄関で抱きしめたまま唇を重ね口付ける。壁に聖知の背中を預けると角度を変えながら貪るようにキスを続ける。
ゆっくり唇を離すと熱い吐息が漏れ…聖知の潤んだ瞳を見ると額に優しく口付け「また…明日な。」と聖知の頭を撫で部屋を出る。