第52章 婚約者

「ほら……
　なんか……赤司と関係があんのか？」




「…ありがとうございます………」


公園にある自販機で笠松先輩はリンゴジュースとスポドリを購入するとジュースを私の方に渡す。思いつめた私の気持ちがわかるようにそう言うとスポドリを飲み出す。



「……あの……こんな話していいか…
　迷ったんですけど………
　私………祖母が決めた……
　……婚約者がいるんです…」



「っ…その話なら………
　悪い……知ってた……
　前に瑛一さんを説得に行った時に…
　澄香さんから聞いた…
　相手は……知らねえけどな…」


笠松先輩が知っていた事実に驚いた…

「なぜ…そのことについて私に聞かなかったんだろう」と言う気持ちが残り…胸がなぜかズキっと痛みを覚えるが、今は考えないようにして話を続ける。






「っ…そう……ですか…」





「その……相手は…
　誰……なんだ…？」









「………赤司君です」







「……は…？」











「赤司君が…婚約者なんです………」







「赤司が……婚約者…？」


聖知は婚約者が赤司であることを告げると笠松はギュッと拳を握りしめ…聖知が今後どうしようと思っているのか気になったが…踏み込んで話をしてもいいものか…躊躇する。



「……聖知は……その……
　どうしようと……思ってるんだ……？」