第51章 笠松家の夕食
––––1時間後
「っ……兄ちゃん…?」
「………っ…」
「おう…起きたか…
よく寝れたか…?」
「っ…兄ちゃんいるってことは…!
お姉ちゃんは…?」
「お姉ちゃん!」
カーテン越しから楽しそうな笠松の母親の笑い声と聖知の笑い声が聞こえて何を話ししているの気になるがよく聞き取れない。
することもなく…月バスを読んでいると弟の幸也と幸大の目が覚める。起きてすぐに聖知を探すようにキョロキョロしだし…キッチンから聖知の声がするのに気づいて行こうとした2人を引き止める。
「こら…キッチンは今入れねえよ…
刃物とかもあるし危ねえから…
今料理中だから…俺とおとなしく待っとけ…」
「「……はーい…」」
–––キッチン–––
「さすが…笠松先輩…
やっぱり良いお兄さんしてますね…」
「そうね…普段練習とかでいない分…
私が言っても聞かない時は幸男が注意すると…
聞き分けが良かったりするわ…」
「可愛らしい弟さんがいて羨ましいです。」
2人が起きたような声がカーテン越しに聞こえると笠松が弟2人に注意をすると動物園での態度とは裏腹に大人しく言うことを聞く声が聞こえる。
カーテンの隙間から覗くと幸也と幸大君に雑誌を見ながらバスケについて説明する微笑ましい光景を見て料理を作るのを再開させた。
「ねえ…ところで…聖知ちゃんは…
幸男とどこで出会ったの?」
「えっ…///
いや…それは…///」
「女同士なんだから…いいじゃない。
学校かしら…それとも…
バスケ部に入部してからとか?」
笠松との出会いのきっかけを聞かれると聖知は顔を赤らめる。恥ずかしかったが、聖知はゆっくりと野菜を切りながら話し始める。