第9章 過去※
「………」
「ごめん………」
「なんで聖知っちが謝るんすか…」
「私の注意力が足りなかった…涼太もテツくんも怪我してるのに…マネージャー失格だね……」
「そんなこと「そうだな。」
涼太がフォローしようとすると入り口の近くで征くんが医務室に入ってきた。
「俺は黒子の付き添いを頼んだ筈だ。なのに正義感にかられ騙され聖知、君のとった行動はマネージャー失格だ。」
「…ちょ…赤司っち…何も今ッ…」
「…ごめんなさ…せ…征…くん?」
本当のことだから何も言い返せない。
チームに迷惑をかけただけでなく…
みんなのフォローするどころか…何もできなかった…
マネージャー失格だ…
自責の念にかられていると征くんが私を抱きしめた。
「良かった…。無事で…気づくのが遅くてすまない…よく頑張った…」
「ッ……ごめん…なさいッ…」
征くんは優しく頭を撫でてくれて私が落ち着くまで抱きしめてくれた。
当の私は、ただただ申し訳なさと安堵の気持ちなど入り混じり涙を流して征くんにしがみついていた。
これが花宮真との出会いだった。
この出会いをきっかけに私は花宮真に目をつけられ玩具として遊ばれている。
この時はまだ知らなかった。
彼との関係が大きく変わるということがこの時の私には知る由もなかった。