第50章 動物園
「嫉妬してる」
「…え…っ…」
「嫉妬するに決まってんだろ…」
私は園内を歩いていると笠松先輩は急に立ち止まり園内にあるフェンスに押しつけられる。
「俺だってあんなに触ったことねえのに…
聖知だって……ずっとヘラヘラしてただろ…
俺以外に目向けんなよ…」
「っ…///
ぁ…あの…ちょ…///」
肩を掴まれて笠松先輩の顔が近くなると自然と赤くなる。
園内で家族連れが多い中恥ずかしくて…押し返そうとしても唇を押し付けるようにキスされる。
「っ…//////」
「…今日だって…本当は…
聖知の手料理が食べたかった…
その……エプロン姿だって……//」
唇が離れると笠松先輩は約束を破られた拗ねた子供のような表情を浮かべ心の内を私に伝える。
「…なら…今日…笠松先輩のお母様と一緒にご飯作ります。
その時にエプロン姿見せますね?」
「……は…?」
「幸男さんが嫉妬してくれて嬉しいです…///
だから…今は……///
これだけしか…私にはできませんけど…」
背伸びをしてチュッと笠松先輩の頬にキスをしてから、恥じらいを感じつつも初めて自分から触れるだけのキスをする。
「Σっ…なっ…なっ…!///」
「っ…//////
…私が…こうやって…
キスしたいって思うのは…幸男さんだけです…
それじゃ…ダメ…ですか…?」
いつも自分から学校でもキスする笠松に自分の方からキスをすると金魚みたいに口をパクパクさせている姿に恥ずかしくなる。
顔を赤らめながら伝えると笠松先輩に「文句ねえ…」とギュッと抱きしめられ…再びお互いに見つめ合い…もう一度唇を重ねた。