第50章 動物園
「っ……幸大、幸也……っ…
あんまり…くっついたらっ…
聖知が……困るだろっ……」
「…おねえちゃん…ダメ…?」
「…ギュッてしたら…怒る…?」
「っ…!
そ…そんな…怒るだなんて…//
全然気にしなくていいからね」
笠松は弟2人が聖知に抱きついてる様子にイライラして注意する。
聖知は笠松の弟2人が悲しそうな顔を見るとと母性本能に心が締め付けられ2人を安心させるように2人の頭を撫でる。
さっきから…ずっと…ベタベタ甘えすぎだろ…
俺だって…そんなことした事ねえのに…
聖知だって…甘やかしすぎだろ…
「子供相手に何ムキになってんのよ…
嫉妬なんて見苦しいわよ…」
「Σっ…そ…そんなんじゃねえっ…!」
「そういえば…
聖知ちゃんはご兄弟とかいるの?」
「いえ…私は一人っ子です。
でも、兄弟とかいると賑やかで、楽しそうですね。」
「でも…男の子ばかりだから花がないのよねえ…
私としては…聖知ちゃんに…」
「(だからやめろってっ…)」
笠松の母親はキラキラした瞳で聖知の手を握り、何かを伝えようとすると笠松は聖知に聞こえない小声で母を止めようとすると再び肘でどつかれる。
「もうっ…!
じゃあ…聖知ちゃんは…
ご両親と3人で暮らしているの?」
「あ…いえ……私は…1人暮らししてるんです…」
「……へ…?」
1人暮らしと聞いて笠松の母親は驚く。
簡単に聖知は1人暮らしをしている経緯を説明する。
両親は仕事の都合上アメリカにいること。
中学生の頃から一人暮らしをしていること。
話を聞き終わると、笠松の母親はさっきよりもウルウルした瞳でギュッと聖知の手を握りしめる。