第50章 動物園
「……わかりました…
レギュラー全員に連絡しときます。」
監督からの電話はやはり…緊急の連絡だった。
急遽明日、練習試合が決まった。相手は超強豪…
キセキの世代率いるチーム…
苦戦するだろうが…負けるつもりはねえ…
俺は、監督からの電話が終わると聖知を待たせていると思い、小走りで店の前に向かうと聖知の姿はなかった。
「…聖知…?
っ…考えたくねえが…!
ん……?……LINE…?」
俺は聖知に何かあったのかと思い、焦ってスマホを開けると聖知からLINEで連絡が来ていた。
『迷子の男の子がいたのでインフォメーションに行ってきます。』
迷子……?
まぁ祝日だから迷子ぐらいいると思うが…
なんで聖知が連れてったんだ…?
俺は、聖知のLINEを確認するとインフォメーションまで足を運んだ。
「あの…すいません…園内で迷子になってた男の子がいて…」
「「おかあさんっ!!」」
「幸大っ…幸也っ…!
もうっ…どこ行ってたの…!
心配したじゃないっ……
あれほど勝手に動いちゃダメって言ってたでしょ…」
「っ…ごめんっ…なさいっ…
もう言うことっ…聞くからっ…っ…
っ……っ…」
「…ごめんっ…なさいっ…
っ……もうはなれないっ…」
インフォメーションに着いて、説明しようとすると男の子2人は私の手を離して母親らしき女性に駆け寄って抱きつく。
お母さんに会えて安心したのか幸大君も幸也君も声をあげて泣いていしっかりと母親にしがみついている。
よかった……無事に会えて……
やっぱり…子供は…
親子で一緒にいるのが1番…
「っ…お姉ちゃん…待って…!」
無事会えたのを見届け…そっとその場から離れようとすると…後ろから幸也君が抱きついて服を掴んで引き止められる。