第50章 動物園
「えっと…幸大くんと…幸也くん…?
今いくつなの?」
「「3才!」」
「あれ…同い年なんだね。
じゃあ、どっちがお兄ちゃん?」
「俺の方が上ー!
でも、兄ちゃんが1番上だよ!」
園内を歩きながら名前を教えてもらうと、さっきまで泣いていたのが嘘のようにスキップしたり、幸也君が手を上げて元気いっぱいに返事をしてはしゃいでいる。
「……兄ちゃん…?
もう1人お兄ちゃんがいるの?」
「うん!兄ちゃんカッコいいんだから!
バスケ上手いんだぞ!」
「それにボスだしな!」
「ボ…ボス…?」
バスケ部のボス……?
ボスって…なんだろ…
主将か……監督ってこと…?
「ちょ…っ…!…幸大くん…っ…どこ行くの!」
よくわからないでいると…幸大君が急に強く手を引っ張りゾウがいるエリアまでやってくる。
「ゾウさん!」
「幸大くん…お母さんを……っ//////…うわぁっ…可愛いっ…!」
「ゾウさんお母さんと一緒!」
ゾウのエリアまでくると小さなゾウの赤ちゃんがいて親子で連れ添って食事タイム中で本来の目的を忘れて幸大くんたちと一緒にはしゃいでしまった。
「……おかあさん見つかるかな……」
「……おかあさん……」
「…大丈夫…お姉ちゃん…
見つかるまで一緒探すから…
元気出して行こ?」
「「…っ!…うん!!」」
親子のゾウを見て2人は不安げな顔を浮かべる。
その様子を見て、2人の背丈まで屈み頭を撫でて軽く抱きしめると再び元気よく返事をして一緒にインフォメーションまでやってくる。