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【黒バス】何度でも貴方に恋をする R18

第50章 動物園





「奥には…ウォーキングサファリがあるんだ…
 ワラビーとダチョウとカピパラが放し飼い…」



「っ……おかあ…っ…さあん…っ…!」

「っ…なくなっ…!…っ……
 ないてもっ…おかあ…さっ…っ…」


私は近くのベンチで、笠松先輩が戻ってくるのを待っていた。その間にまだ周っていないエリアのパンフレットを見て1人幸せな気分に浸っていると近くで子供の泣く声が聞こえる。


どこで泣いてるんだろうと思い…辺りを見渡すと、私が座っているベンチの反対側で男の子2人がグスグス泣いているのを見た。



「ゆきやがっ…悪いんだぞっ…っ…
 お前がっ…っ…キリン見たいって…」

「こうただって…っ…行くって…っ…
 行ったっ…じゃんっ……」

「っ……おかあっ……さん…
 どこっ……だよ…っ…」

「…っ…おかあっ…さん…
 あいたいっ…よっ…っ…」



「…………」


グスグス泣いていた男の子2人は嗚咽交じりに本格的に泣き出し…私は、かつての自分を見ているようで…ほっとけなくてそっと男の子2人に近づいた。



「どうしたの…?
 そんなに泣いて…お母さんとはぐれたの…?」


警戒されないように2人の前に来ると屈んでニコッと微笑みハンカチを男の子2人に渡す。



「おかあっ…さっ…いないっ…」

「っ……どこっ…いないっ…っ…」


「大丈夫…お姉ちゃんが一緒に探してあげる…
 お母さんもきっと…心配して探してるから…
 すぐ見つかるよ…
 泣いてたらお母さんに笑われちゃうよ?」


嗚咽交じりに泣いていて状況がわからなかったが…まずは安心させるほうが先だと思い…2人の頭を優しく撫でて優しく微笑むと泣きじゃくっていた2人の涙がだんだん止まっていき安堵する。



「さて…とりあえず…園内のインフォメーションに行って見よっか…そこでお母さんを探してもらおう?」


「っうん!…お姉ちゃん…ありがとう」

「もう泣かないっ!」


2人は泣き止むと、たちまち元気になった。

笠松先輩が戻って来そうになく…早くお母さんと会わせてあげたくて…LINEで「迷子の男の子がいたのでインフォメーションに行ってきます。」とメッセージを送り男の子2人と手を繋いで園内を歩いていく。



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