第50章 動物園
「……?
パンダの赤ちゃんも可愛かったですけど…
私は、ペンギンの赤ちゃんとか見てみたいです。」
「……パンダ…?
ペンギン……?
……動物の……赤ちゃんってことか……
そ…そうだよな///」
「………?
他に……ありますか?」
「ね…ねえよなっ!…っ…//////
お…俺は…ら…ライオンの赤ちゃんとか…
見てみてえな…」
聖知の言葉を聞いて一気に現実に引き戻される。
聖知の言う赤ちゃんは「動物の赤ちゃん」の事で俺の脳内では勝手に「人間の赤ちゃん」に変換されテンパってしまった。
つーか…冷静に聞いてたら動物の話に決まってるだろっ…
なんか…俺……
1人で勘違いして…ダセえな…
それから…聖知と色んなエリアを周り、その度に聖知は舎内から出る度に幸せそうな表情を浮かべていた。
俺も…聖知が楽しそうにしているのを見るだけで満足で…時間が昼になる手前で昼食を取ることになった。
「時間、あっという間ですね…
もうお昼だなんて…」
「そうだな…まだ…あと半分くらいあるけど…
余裕で回れるだろ…」
手を繋いで園内にあるハンバーガショップに立ち寄る前に笠松のスマホの着信が鳴る。
「悪い……ん…?
監督だ…」
「……監督…?」
「休みの日に連絡来るなんて珍しいな…
悪い…ちょっとかけてくるから…
ここで待っててくれるか?」
「はい、急ぎかもしれませんし…
ここで待ってますね?」
普段、練習が休みの日に監督から連絡が入ることはない。
何か急ぎの用事か…それとも明日からの練習で何か話があるのか考え…お店に入る前に聖知を残してその場を離れた。