第50章 動物園
「わぁ…広くて…どこから行くか迷いますね。」
「そ…そうだな///…とりあえずこっちから行くか…」
俺は園内に入るとすぐにパンフレットを広げる。
園内はサバンナゾーンを軸に細かくエリア分けされている。奥まで進むとウォーキングサファリゾーン、ふれあい広場があり…祝日には家族連れが多くなるくらい子供にも人気のスポットだ。
聖知は既にキラキラした表情で動物を見る前から楽しそうに一緒にパンフレットを見ながら俺の腕に抱きついている。
抱きつかれるとドキッとしながらも、俺は平静を装いながら一緒にパンダマークの建物へと入る。
「っ…か…可愛い…パンダの赤ちゃんがいます///
とても愛らしいですね//」
「っ…そ…そうだな///」
舎内に入るとちょうどパンダの赤ちゃんのごはんタイムの時間でミルクを飲んでいる姿に聖知は夢中で子供のようにはしゃいでいる。
周りの他の客は「可愛い」、「あのお姉ちゃんはしゃいでる」など暖かな目で笑っていて聖知の眩しい笑顔に俺まで恥ずかしくなる。
「可愛らしかったですね…
やっぱり動物の赤ちゃんは可愛いです。
幸男さんは、赤ちゃん好きですか?」
「Σはっ…!?」
パンダ舎を出ると聖知は満足したように幸そうに笑うと「赤ちゃん」の話題に触れ俺は思考が停止した。
「なっ…あっ…ああっ…赤ちゃんっ!?
なな…っ…何言ってんだよっ…//////」
「………?
赤ちゃん嫌いですか?」
「っ……//////」
何言ってんだ…聖知っ……
そ…そう言う話は……っ……
まだ早いだろ……っ……