第50章 動物園
「じゃあ…支度してくるので…待ってて下さい…
の…覗いたらダメですからね…」
「っ…Σの…覗かねえよっ…///
ゆ…ゆっくりでいいから…急いで転けんなよ…」
その後……
朝食が終わると出かける準備のため聖知は違う部屋に着替えに向かう。
「そんなドジじゃありません!」っと聖知は付け添え部屋に入り……笠松は聖知の支度が終わるまでリビングで待つ。
ふと…テーブルにある写真に目がいく。
「これ……聖知か?」
写真には瑛一さん、澄香さんと聖知に似た小さい女の子が写っていた。
日本にいた頃の写真だろうか……眩しいぐらいの笑顔の写真を見ると笠松はフッと笑む。
「これくらい…笑かしてやりてえな……
…そういや……公園で言ってた…… 」
写真立てを手に取ると…笠松は聖知と付き合うために説得に行った時のことを思い出す。
『……聖知は知らないけど……聖知には決められた婚約者がいて…このまま日本にいればいづれ結婚させられることになる。』
……って言ってたよな……
…相手って……
…誰なんだ……
聖知に聞いていいか分からず…気になりつつ聞くことができなくて…笠松はモヤモヤとした気持ちを抱く中…聖知の声が耳に入る。
「幸男さん…お待たせしました。」
「……っ…//////」
笠松は聖知の私服姿を見て顔を赤らめる。
白のシフォンワンピースに笠松がプレゼントしたバレッタで髪をハーフアップしている姿にいつもの聖知より大人っぽさがあり…笠松は直視できず顔を逸らす。