第49章 初めての手料理※
「はぁ……つーか…
こんなことばっかり…何考えてんだ…俺はっ…」
マンションまで着くと妄想の中の聖知が頭から離れず呼び鈴を押すとすぐに聖知の声がしてドアが開く。
「……あ、幸男さん…お帰りなさい。
ご飯、できてまっ…!…っ…」
「っ…!……反則だろ…そういうの……///」
私服姿の聖知が出て来て「お帰りなさい」と「ご飯」のキーワードに脳内の妄想が反応してしまい笠松は聖知をギュッと抱きしめる。
「え…あの…//…な…何が…ですか??」
抱きしめられたまま動けず笠松が何のことを言っているのか聖知にはわからず…
そっと聖知を離すと唯一エプロン姿じゃないことだけ笠松は感謝する。
エプロン姿で…
言われてたら…
絶対…襲っていた…
笠松の中でそう確信しながらも内心エプロン姿が見たいと思いながら…口が裂けても言えず…照れくさそうに顔をそらす。
「あの……もしかして疲れてますか?
すぐ準備しますので…
適当に座って待っててくださいね。」
「そんなんじゃねえ…//
疲れてねえし…元気だ……」
「なら良かったです…
お口に合えばいいんですが…」
笠松はテーブルに並べられた食事を見ると驚く。
ホクホクとした肉じゃがとシーザーサラダ、酢の物、白米と大根と薄揚げの味噌汁…
栄養バランスのとれた手のかかった食事を短時間で作ってくれたことに笠松は感謝した。一生懸命に食事を準備する聖知が目に浮かび…隣に座った聖知の手そっと優しく触れる。