第48章 学力テスト
「お前と別れてから…聖知は毎日泣いてた…
俺には聞こえない場所で…1人でな……
俺には理解できないが…聖知にとっては…
お前が必要なんだ……
俺ではダメなんだとよ……」
「………どういう……」
笠松は自分の知らない聖知の話を聞くと…より一層側にいる決意が強まり守ってやりたい気持ちに駆られる。
「プロを引退して…
一緒に日本に残るって言ったら反対された。
俺からしたら…すげえ決断だったんだがな…」
「……っ…!」
「やっぱり…ムカつくが…聖知の中で…
1番心を許してるのはお前だ…
だから……もし…腑抜けたこと言って…
聖知を泣かすようなことすんなら…
殴り飛ばしてやるからそのつもりでいろ。」
「っ…もう2度としない…絶対に…」
笠松は瑛一のドスのきいた声色に本気であることが伝わり…恐怖感を感じるが真剣な表情で自分の気持ちを伝えると瑛一は満足そうに笑む。
「じゃあな…元気でやれよ……」
「はい…本当にありがとうございました。」
瑛一は軽く手を振ると学校から出ようと歩き出し…すぐ止まり後ろを振り返る。
「……笠松……」
「……?」
「……聖知を…頼む……」
「……俺が聖知を支えます…必ず…」
そう言うと瑛一は学校を出てマンションへと向かい、笠松は瑛一が見えなくなると部室へと戻っていった。