第48章 学力テスト
ーーーーーーーーーーーー夜20時
瑛一は海常高校バスケ部での最後のコーチとしての仕事が終えると部員全員に激励の言葉を告げ練習は終了し解散した。
「瑛一、短い間だったがありがとう。
お前の提示してくれたメニューのおかげで…
選手1人1人のフィジカルが強化できた。
…あっちに行っても……そういえば……
明日だったか?…帰国するのは…
今から一杯付き合わんか?」
「…先輩…今回は帰ります。
聖知が待ってるんで…
次いつ日本に来れるかわかんねえから…
…少しでも側にいてやりたいんです。
それに……海常が少しでも強くなるんなら…
それだけで俺は満足なんで。」
瑛一は監督からの飲みの誘いをやんわり断ると挨拶をしてから体育館を出ていく。
「瑛一さん…ちょっといいっすか?」
「……なんだよ……笠松…」
体育館を出ていくと、待ち伏せしていたかのように笠松が体育館の外で待っていて瑛一と一緒に中庭へと移動する。
「ありがとうございました。
練習もそうですけど……聖知の事も…
聖知から聞きました…
聖知に仲直りするよう…
励ましてくれたって…おかげで…」
「勘違いすんなよ。
俺はお前が聖知と別れようが…
どうだっていい…
お前のためじゃねえ…
…聖知のためだ…」
笠松がお礼を伝えると深くため息をつき、怪訝そうな表情を浮かべ近くの木にもたれかかる。