第47章 何があっても離さない
「本当に悪い……
辛い気持ちに気づいてやれなくて…
少し考えたら…わかる事なのに…
俺…守ることができなくて…
すごく後悔して周りが見えていなかった……」
「…私…笠松先輩が…
いつも助けてくれて…駆けつけてくれて…
今までたくさん助けてもらって感謝してます。
今回だって…ワナにかけられても…
必死に助けにきてくれた事知ってます……
だから…約束を守れなかっただなんて…
思わないで下さいっ……
私…そんな風に思ったこと一度もっ…」
「っ…もういい……
聖知の気持ちは…十分伝わった……
だから…もう泣くなっ…」
抱きしめられると久しぶりの笠松の匂いや強く抱きしめられる手の感触に自然と聖知は涙が溢れて久しぶりの抱擁に涙が流れる。
聖知は自分の気持ちを吐き出すように話すと笠松は自分がいかにひどい勘違いをしていたのかを知る。
自分が泣かせてしまっていることに戸惑いを感じても…もう離さないようギュッと抱きしめ…ゆっくり離すと聖知の頬に流れている涙を指で拭う。
「聖知……俺は……もう一度やり直したい…
もう2度と別れたいと言われても別れない。
これから…例え…辛い事があっても…
…絶対側から離れない。
……聖知と一緒に楽しいことも…
嫌なことも…支えていきたい……
……俺を信じてくれ…」
笠松は聖知の両肩に手を置き真剣な表情で自分の想いを伝える。
笠松自身も聖知の気持ちを聞くまで緊張した面持ちの様子だ。
「っ……私の事…許してくれるんですか……
酷く傷つけたのに……
別れた日から…ぽっかり穴が空いたみたいで…
忘れようと思っても…忘れられなくて……
私も…やり直したい……です…
大好きです……幸男さん…」
聖知は泣きながら笠松の気持ちが嬉しくて、涙を拭いながら嬉しそうに自分の想いを伝えて微笑むと笠松に抱き寄せられて口付けられる。