第47章 何があっても離さない
「聖知っち……俺は諦めないっすよ…」
「……っ…りょ…」
黄瀬はそう言うと聖知の返答を待たずに自席へと戻っていく。
それと同時に一限目の担当科目の教師が教室に入り授業が開始された。
昼休み
授業が終わると聖知は笠松と約束していた屋上へ行こうと教室を出ようとする。
「聖知っち……
本当に…行くつもりっすか…」
教室を出ようとすると黄瀬は扉を塞ぐように手をついて邪魔をする。黄瀬の表情から「行かせない」という想いが聖知にも伝わり顔を俯かせる。
「…ごめん……涼太……」
「…っ……聖知っち……」
聖知は沈んだ表情を浮かべ、黄瀬に申し訳なさそうにすると手を避けて小走りで屋上へと向かう。
「…………」
屋上へ向かう途中…聖知は緊張していた。
最後に話をしたのは保健室で別れを告げた時…
屋上への扉をギュッと握り意を消して開くと雲一つない青空で…扉を開くと先に待っていた笠松が振り返り優しい表情を浮かべていた。