第47章 何があっても離さない
『連絡が遅くなりすいません。
私こそ許してもらえるのなら話がしたいです』
聖知はLINEでメッセージを送るとすっきりしたように深い眠りに落ち就寝した。
翌朝、海常高校に登校する。
教室に行く最中、バスケットボールのパネル音やバッシュのスキール音が聞こえ、体育館に見に行こうと思うが今日までの辛抱だと思い教室に向かう。
「あっ!聖知っち!…おはようっす!
包帯取れてるってことは怪我治ったんすか?」
「おはよう。あともう少しかな…明日から復帰できると思う。」
「じゃあ、今日、お昼一緒に行かないっすか?
全快祝いでおごるっすよ!」
「あ…ごめん…今日はちょっと用事があって……」
教室に入ると黄瀬が既に席に着いて手を振って挨拶をする。
怪我が治ったと聞いて自分の事のように喜んでくれ…聖知は嬉しい気持ちになるが逆に申し訳ない気持ちにもなる。
「用事って……なんすか……?」
「っ…えっと……屋上で笠松先輩と話をするの。」
聖知は言いにくそうにしながらもきちんと話すべきだと思い、笠松先輩と会う事を正直に話すと黄瀬の顔色が変わる。
「聖知っち……
俺が…行かせないって言ったら…?
笠松先輩とやり直すつもりっすか?」
「っ……涼太…ごめん……
私には…笠松先輩が必要なの……」
黄瀬が聖知の手をギュッと握り締めて真剣な瞳で「行くな」と訴えかける。申し訳ないと思いながら謝ると…泣きそうな顔を浮かべ伝えると黄瀬はゆっくり手を離す。
私が辛い時に心配してくれて…
力になってくれて…
涼太には…すごく感謝している
でも…それでも……
私は……
笠松先輩が忘れられない
大好きだから…