第46章 すれ違い
「……出ねえか…」
諦めたように電話を切り…帰ったらもう一度LINEで連絡してみようと考え体育館へと戻ろうと歩いていく。
「その様子なら…聖知っち…電話に出なかったみたいっすね。」
体育館に戻ってきた笠松に、まるで見ていたかのようにクスっと不敵に笑み勝ち誇ったような表情を浮かべる。
「覗き見なんて趣味悪いな……連絡もなしに電話をかけたのは俺だ……忙しいんだろ……」
「笠松先輩…避けられてるだけだと…俺は思いますけど……聖知っちが忘れたがってるのに…心を掻き乱すようなことやめてくれないっすか…」
「……っ…」
笠松は黄瀬に負けじとキッと睨みつけ、黄瀬も今さら聖知を笠松に渡したくないという想いから睨みつけて火花を散らす。
「休憩、終了だ。」
2人の対立を仲裁するように部活が再開され、再び練習が始まりお互いに頭を切り替えてバスケに集中し練習が無事終了した。
練習が終わり家までの帰り道……
笠松は聖知に会いに行きたかったが…
会いに行くと昨夜みたいに父瑛一に止められると思い…
スマホでもう一度メッセージを送る事にした。
「…聖知…」
聖知と会ってないのはたった数日のこと。
なのに…長い間会っていないように笠松は感じた。
もう一度話がしたくて聖知が見てくれるように…
メッセージを送るとスマホを閉じて帰路へついた。