第46章 すれ違い
「……どういう意味っすか…?
この間、関係ないとか…
勝手にしろって言ってたっすよね…」
「……っ……やっぱり…俺は…」
「……今さら…俺は許さないっすよ…
ていうか……その様子だと聖知っちとは…
話できてないっすよね……」
黄瀬の言葉に笠松は口ごもり、あの時は何も考えることができず発してしまったというのはただの言い訳にしかならないと感じ…脱力する。
それでも…自分の気持ちを止めることはできず真剣な面持ちで言葉を続ける。
「…黄瀬…お前の言う通りだ……都合が良いのは…わかっている。聖知とはきちんと話をするつもりだ。」
「………確かに…俺と付き合ってるっていうのは嘘っす。でも…聖知っち笠松先輩の事……忘れたいって……もう…そっとしといてもらえないっすか…」
「……俺は……約束したんだ……
俺を忘れたいっていうのは…
聖知の本当の気持ちじゃねえ…
俺はそう思ってる…」
「…………」
笠松はそう言うと体育館へと入って行き、黄瀬は笠松の後ろ姿を見つめてギュッと拳を握りしめて嫉妬するように見つめていた。