第45章 今は1人でいたい
「…………」
屋上で聖知の言葉を聞いて俺は本当に聖知の気持ちを……自分の事ばかりで何もわかってなかったと思い知った。
別れの原因が…「約束を守れなかった」としか考えることができなかったのは……
嫉妬していたからだ……
俺は…無意識のうちに黄瀬に嫉妬していた……
助けたのが黄瀬で……何もできなかった……
それを……俺は自分が助けられなかった…
…守ることができなかった…
別れた理由だと思い込んでいた。
傷ついた聖知に優しい言葉もかけずに…
ろくに話もせず…一方的に決めつけて…
勝手に俺を見捨てたと思い込み…
…自分のことしか考えてなかった。
屋上から黄瀬もいなくなり笠松1人になる。
吹いている風邪が涼しいはずなのに…冷たく感じる。
聖知の気持ち……
聖知が…別れた理由は……
自分で何もかも…
…全てを抱えようとしているからだ…
ずっと見てきたのに……
こんな…簡単なことも気づけねえなんて…情けねえ……
俺は…話をするためにまずスマホで聖知にLINEで連絡をした。