第45章 今は1人でいたい
「……はぁ……」
誰もいない屋上でため息をついて雲一つない青い空を笠松は見上げる。
「…こんな思い悩むなら……あんなこと言うんじゃなかった……」
ふと、保健室で聖知に別れを告げられた時の事を思い出す。
『聖知の気持ちはよくわかった……
………これからは…黄瀬に守ってもらえよ……』
『……お前がいてやればいいだろ…
聖知とは……別れた……
だから俺には……関係ねえっ…』
なんで……俺は…黄瀬の名前をっ……
笠松は黄瀬に託すように伝えてしまった事を激しく後悔する。後悔するのと同時に自分のある気持ちに笠松は気づく。
そして……わかった……
聖知が笠松に別れを告げた本当の理由を……
「わあ…すごくいい天気…」
「また貸切っすね!…屋上解放されてるのってあんま知られてないんすかね…」
笠松は自分の気持ちに気づいて今日中に聖知と話をしようと考えていると黄瀬と聖知が屋上に来て驚く。
2人の位置からは笠松は死角に立っていて、屋上にいることに気づいてない。誰もいないと思い込んで2人はフェンスにもたれて話を始めた。