第45章 今は1人でいたい
昼休み
あれから俺は考えた…
瑛一さんに言われた事を……
『聖知は今も変わらずお前のことが好きだ』
別れれた理由は…今でも…俺が約束を守れなかった…
…としか思えない……
たが…他に理由があんなら…
…聖知に聞きたい……
例え…自分が無力だとわかったしても…
聖知と別れたくない……
笠松は昼休みになると、聖知と話し合うために自分の教室を出て聖知の教室へと向かう。
「…なぁ……悪いが…っ……水瀬……呼んで…くれない…か?」
「…あ…はい…聖知ちゃんなら…さっき黄瀬君と歩いてたよね…」
「うん、どこ行ったかまでは知らないけど…」
笠松は緊張しながらも教室の入り口付近で喋ってる女生徒に声を掛け、黄瀬の名前を聞くと眉がピクっと動き焦ったような表情を浮かべる。
「わかった……ありがと……な…」
2人が一緒にいるかと思うと、笠松は黄瀬の言葉を思い出す。
『もう我慢はやめる。
……聖知は、俺がもらう。
…邪魔しないっすよね…
関係ないって言ってたし。』
笠松の脳内で黄瀬と聖知がキスするシーンを思い浮かべてしまい髪をクシャと掻き上げる。
「……少し…頭冷やすか……」
ため息をつき、風にでも当たって冷静になろうと考え屋上へと向かう。