第44章 駆除
深夜 23:00
真夜中の時間に瑛一のスマホの着信が鳴り響く。
「遅い」
「申し訳ありません。
これでも急いだほうなのですが…
…先程駆除が終了しました。」
「証拠はあんのか……お前が嘘ついてるかも知れねーだろ。」
「…やれやれ…疑い深いですね…速報でニュースが流れています。それを見ていただければわかりますよ。」
「…これなら心配はなさそうだな…
今回のことは不問にしてやるよ。
ただし………次はないからな…」
瑛一はパソコンでWEB上の「小林製薬株式会社」の不祥事のニュースの記事が掲載されているのを見て満足そうに笑む。
提示した余罪の他に横領や脱税疑惑など叩けば埃が出るような会社に見て取れパソコンから視線を逸らす。
「心得ています。…ではこれで失礼します。」
瑛一は電話を切ると、聖知にそっと近づく。
「聖知……俺がそばにいてやる。」
パソコンには引退表明と作成途中の文章が表示されており優しく聖知の頭を撫でる。