第44章 駆除
「さて……そろそろ茶番は終わりにしましょう。
あとは家族会議でも開いてください。」
桐生はそう言うと小林を拘束していた縄を外してその場から立ち去ろうとする。
「待ってくれっ!!…最後のチャンスをくれないかっ…
もちろん、息子には謝罪をさせるっ…!
どうか……」
「謝罪は結構。こちらの要求は1つです。
それを受け入れるなら考えましょう。
2度と彼女の前に姿を現さないこと。
もちろん、今日付で転校してくださいね…?」
「は…?…何で俺がっ…!」
「黙れっ!!
わかった…何でも言う通りにする…
だから取引は……」
立ち止まると桐生はため息をつく。このまま放っておいても倒産した会社では海常には通うことはできない。
それよりも……先ほどから自社の心配…保身などの話ばかり…聖知に対しての謝罪がなく桐生は懲らしめるつもりでクスッと企むように口角を吊り上げ笑む。
「如月家が提携している企業での取引は本日付で終了です。まぁ……情けをかけるとしたら……この業界で生きていくことだけは許してあげましょう。」
「私の会社のほとんどはっ…!」
「これでも十分譲歩しております。では…私はこれで……」
小林製薬株式会社
会社の90%が如月家の提携している企業で撤退すなわち倒産…良くて規模の縮小が必須の運命が突きつけられている。
まぁ………会社を続けられたらの話ですが………
電話越しにはパトカーのサイレンが鳴り響き…ショックで項垂れている小林を放置し…桐生は冷たい表情を浮かべてその場から廃墟を出ていった。