第44章 駆除
「おいっ…俺のスマホ…どこにかけてんだよっ…」
「もしもし…私…如月と申します。小林社長でしょうか。
おや……それは…それは……
…情報が早くて助かります。」
「………?」
「小林君…お父様から電話ですよ。」
桐生が淡々と電話で話をしていると電話先の小林の両親は焦ったような声が途切れ切れに小林の耳に微かに聞こえる。
桐生はニコッと微笑むとスピーカボタンを押して小林にも聞こえるように近くにスマホを置く。
「父さんっ…!」
「お前っ… 賢治かっ……なんて事してくれたんだっ!!
お前のせいでっ…!」
「は……?」
「お前…よりにもよって…如月家のご息女に手を出したそうだなっ!お前のせいで会社は倒産寸前だっ…しかもお前の今までの隠蔽してきたことが露見して…っ…!どうしてくれるんだっ…!」
「……ご息女………?」
電話越しの小林の父は電話越しに喚くように自分の息子を責め立てる。聞いている小林は何が何だかわからず…困惑して話が理解していない様子だ。
「水瀬聖知……母方の姓は如月です。如月聖知。日本有数の如月大財閥グループのお嬢様になります。」
「っ…!………なんで…そんな子が海常に…っ…!」
「そんなことはどうでもいいっ!!
この事態をどう責任とってくれるんだっ!」
「……さあ……どうしますか?」
桐生は楽しそうに微笑むと目を細め、困惑している小林を見つめる。
小林は…事の事態にどうしたらいいかわからなく冷汗をかき俯いたまま何も答えない。