第44章 駆除
深夜
眠っている聖知の頭を撫でてそっと頭に巻いている包帯に触れる。
今夜……桐生から何も報告がなければ…聖知を転校させようと本気で瑛一は考えており…そっと優しく髪を撫でる。
あれから……
黄瀬との電話が終わったタイミングでマンションに瑛一が帰ってきた。
料理は作れないためスーパーで買ってきた食事を聖知と一緒に取る。
汁物だけでも作ろうとした聖知を引き止め、医者が何ともないと診断しても改めて聖知の怪我の具合を見て過保護すぎるくらいに瑛一は心配して包帯やら消毒液、ガーゼなどを買い込んで新しいものと変える。
「………少し…掛け合ってみるか…」
ふと眠っている聖知を見つめこのまま1人にすることはできず…
あることを思いついて、ノートパソコンを取り出す。
タイムリミットはあと3時間……
「はぁ……全く……何だったんだ…今日のおっさん…」
深夜時間、高校生の身分で街で酒を飲みながらふらつき小林はうろついていた。セフレ相手から全員相手にされず酒に溺れていた。
「あの女…聖知……明日呼び出すか……
今度は……写真があるって脅して……
旧校舎に呼び出せば…ヤれんだろ…」
存在しない写真で呼びつけてようと企み…自分の親が経営している薬品会社から少しの量で身体を痺れさせることのできる劇薬を盗み出してニヤリと笑いふらつく足で自分の家へと向かう。