第43章 諦めない
「っ…誰が行くかっ!
おっさん…離せよっ…!」
「お前に法の裁きを受けさせてやる!」
「お止め下さい……誰だかわかりませんが…」
瑛一の力の方が強いのかだんだん引きずるように学校を出ようとすると聞き覚えのある声に足が止まる。
スーツを着た桐生の姿を見て驚く。
「は……?……何でお前が……」
「っ……!」
「っ…ちっ…!…お前のせいで逃げられただろうがっ!」
「ここでは、貴方と私はあくまで初対面、他人です。場所を変えましょう。」
「もともと他人だろうが………」
逃げた小林の姿はもうなく、しぶしぶついていくと人気のない場所まで来ると桐生は眼鏡を外す。
「………ということです。ですから…お嬢様とあの方の間には何もありませんてしたのでどうぞご安心ください。」
「………ご安心…だと……」
桐生から、なぜここにいるのか、事態の全てを聞くと襲われる前に助けだされた話を聞くと安堵するが怪我がいつ治るのか瑛一は心配していた。
そんな最中、桐生から「安心」という言葉を聞き校舎の壁を殴りつける。