第43章 諦めない
「…うるせぇ…お前には関係なっ…!」
「関係ないなんて言わせないっすよ!
聖知っちの事……
……心配じゃないってことっすか……」
「…っ……」
心配に決まっている
怪我が大したことないって聞いても…
病院行ったら異常があるかもしれねぇ…
本当は…今すぐ……
…そばに行って付き添ってやりたい……
でも……俺は………
「……お前がいてやればいいだろ…
聖知とは……別れた……
だから俺には……関係ねえっ…」
「……それ…本気で言ってるんすか……」
「別れた」という事実を聞くと黄瀬は驚き関係ないと言い続ける笠松の胸ぐらを掴む。
静かに怒り心配していない様子に黄瀬は枷が外れたかのように自嘲的に笑みを浮かべ笠松にある事を告げようと呆れたように手を離す。
「俺が……どんな思いで…諦めたと思ってるんすか……笠松先輩なら……聖知っちのこと……任せられると思って……」
「…………」
「……そうっすか……なら…もう我慢はやめる。
……聖知は、俺がもらう。
…邪魔しないっすよね…
関係ないって言ってたし。」
「邪魔なんかしてねえだろ……
………勝手にしろ。」
笠松は黄瀬を残して再び体育館へと戻って行った。