第43章 諦めない
「聖知っち……俺…やっぱり送るっすよ……」
「……大丈夫…ごめん…出れなくて……
監督にはもう伝えてるから…涼太は練習して…」
「いや……でも……」
「いいから……あ…お父さんには…内緒にしといてね…」
「聖知っち……」
放課後教室に戻り黄瀬に部活を休んで念の為病院に行くことになった事を伝え1人で帰ろうとすると引き止められる。
それをかわして聖知は教室を出ると1人で海常を出る。
第1体育館
「……笠松先輩…お疲れ様っす…
ちょっといいっすか……」
「…何だよ…」
練習前に早めに体育館に着くと、笠松を体育館外へ呼び出す。
「……保健室で…何でさっさと教室に帰ったんすか…」
「……そんな話…お前に関係ねーだろ……」
「そんな話って……聖知っち…今日…病院行って…怪我の具合見てもらうって…言ってたっすけど…」
「っ………俺には……関係ねえ……」
「……は……?…ちょっと…笠松先輩……どう言う事っすか……関係ないわけないっすよね……」
黄瀬は笠松の不可解な行動が気になり呼び出すといつもの様子と違い聖知の怪我の話をしても心配するそぶりもない様子に険しい表情を浮かべる。