第9章 過去※
「涼太…大丈夫…?」
「だ、大丈夫っすよ…しかし…ひどいプレーっすね…予想以上っすわ……」
「…………」
「そんな顔しないでほしいっす!大丈夫っすよ!」
ハーフタイムに入ると涼太はやはりラフプレーの狙いに定められていた。
涼太は大丈夫っていうけど…これ以上のひどい怪我を受けたら後々まで影響がでるかもしれないっ…
「聖知。黒子の様子を見てきてくれるか?医務室にいる。たぶん、大丈夫だと思うが…」
「わかった。行ってくるね。みんな…あんまり無茶しないでね……」
黒子君は最初ラフプレーによって頭を打ってしまい医務室で休んでいた。涼太や黒子君だけじゃない。
少しはうまくかわしてはいるけどみんなの身体には痣ができている箇所があった。
本当はこれ以上誰も試合に出て欲しくない。
早く時間がたつのを待つばかりだった。
「医務室は……ッ…すいませんでし……」
「フハッ…誰かと思えば…帝光のマネージャーか…トロトロしてんじゃねーよ。馬鹿が。」
「ちょっと待って下さい!」
医務室へ向かう途中角を曲がろうとしたら誰かにぶつかった。
すぐに謝ろうとしたらその人物は…
花宮 真。
まさに今もっとも会いたくない人物だった。
話し合いで解決できる相手じゃないのはわかっていた。
それでも、みんなの怪我が頭に差し掛かって気がついたら花宮を呼び止めていた。
この時、これ以上関わらなければ…花宮に目をつけられることもなかったかもしれない。
この時の私はただみんなを守りたかっただけだった。
まさか…あんな目に遭うとも知らずに…