第9章 過去※
ーーー1年前ーーー
全中の予選が始まった。
予選はあくまでウォーミングアップ。勝って当たり前。
帝光中学バスケ部は去年のように順調に勝ち進んでいった。
涼太はバスケを始めて初の公式試合となり初心者とは思えないほどバスケセンスがあり他の選手と遜色がないまでに成長した。
次勝てば全中への出場が確定する。
「次の対戦相手は皆…心してかかれ。」
「たしか…無冠のなんとかがいるチームだっけ?」
「無冠の五将。花宮真がいるチームで、バランスの取れたチームだけどラフプレイが特に酷くて有名ですでに予選で当たった対戦校は怪我人がでてる。」
控え室の中次の対戦相手について話し合い、ラフプレイがひどいことを話すと征くんでさえ顔をしかめている。
「どんな相手でも俺たちがやることは一つだ。勝つ。それだけだ。いくぞ!」
赤司くんの掛け声でみんなの気合いが入り体育館へと向かう。
「涼太…気をつけてね。」
「え…聖知っち…心配してくれてる?」
「その言い方…私がいつも心配してないみたいな言い方ね…本当に気をつけてね…」
「大丈夫っすよ!なんなら勝ったらご褒美にキス「いってらっしゃい」
試合が始まる前私は真っ先に涼太が心配だった。
他のみんなも心配だけどやはり真っ先に狙われるとしたら涼太。
心の中の嫌な予感を感じながらも試合が始まった。