第42章 波乱
ガラッ…
「…………来い。」
「……あ…?…っ…離せよっ…!」
「いいから来いって言ってんだろうがっ…!!」
笠松は教室に戻ると小林が席に座り黄瀬に殴られた傷を痛そうにクラスの女子からハンカチを貸してもらい手当てを受けていた。
クラスの女子を掻き分けて小林の腕を掴み強引に教室から連れ出して屋上へと笠松に連行される。
「おいっ…俺…怪我してんだぞっ…!」
「…………」
「聞いてんのかっ…笠松!」
何も話さずに屋上へ着くと乱雑に小林の腕を離すと屋上の扉を無言で閉める。
「……お前……自分が何やったかわかってんのか……」
「…は?…なんのことだよ。」
「とぼけてんじゃねえ!…お前が俺のスマホ盗んで聖知を呼び出して襲ったんだろ。その傷も黄瀬に殴られたものだって知ってんだよ!」
「…ふーん……俺がやった証拠は?」
「先生の証言、黄瀬の証言、何より………
聖知の証言がある。」
「証言…?そんなの証拠にならねえよ。
物的証拠はねえのかよ。」
小林は話を聞くと開き直り、笠松の口から証言しかない事を聞くと口角をニッと吊り上げ勝ち誇ったように笑みを浮かべる。