第42章 波乱
最後に覚えているのはカビ臭い暗い部屋で
朦朧とした意識の中で何かを口に押し当てられて
そこから私の記憶はない……
次に覚えているのは見慣れない天井
誰かの話し声…鉛のように重い身体…
ここはどうやら保健室で…私を運んでくれたのは涼太だった。何がどうなってそうなったのかはわからない。
目が覚めてだんだん記憶が蘇る
意識がなくなってからは何をされたのかわからない…
不安にかられていると今1番聞きたくない声が聞こえた。
「聖知……大丈夫か……」
笠松先輩の声が聞こえ…どんな顔をしてし向き合えばいいのかわからなかった…
ここにいるってことは…
…知っているのだろうか…
知ってるなら……なんて言えば…
どんな顔をすれば良いのか……
わからない……
保健室の先生と涼太がいなくなると室内に2人きりになり、どちらからも会話を始めることもなく静寂に時計の針の音だけが大きく聞こえるくらいうるさかった。