第42章 波乱
「これ…何すか……」
「これがわからないってことは…
やっぱり黄瀬君じゃないみたいね…」
「………っ…いや…その……」
教員は最初から黄瀬の話が嘘だと見抜きため息をつく。
笠松の様子を見るとどちらも何の薬品かわからないようだ。
「水瀬さんの怪我の具合を見ていると変な薬品臭がするから調べてみたの。病院とかでしか手に入らないコレと同じ劇薬が使用されていた。」
「劇薬…?」
「少量なら治療薬として役立つんだけど……使用量を間違えれば…人を簡単に昏睡させたりすることができる。」
「っ…先生…!
聖知は…っ…」
『劇薬で昏睡』と聞くと笠松は焦ったように立ち上がり…未だ目が覚めない聖知を心配して困惑した表情を浮かべる。
「安心して。
今は薬を吸いすぎて眠ってるだけ。
時期に目は覚めるし…怪我も大したことはなかったわ。」
「……そうですか…」
「…………」
黄瀬は安心したように安堵したが……
笠松は責任を感じ起きるまでは安心することができず黙り込む。
教員は2人は薬品に関して関わりがないことだとわかると優しく微笑み聖知が横になってるカーテンを開ける。
「っ………」
カーテンが開かれ聖知の閉じている目元がピクっと動くとゆっくり目を覚ます。