第42章 波乱
「っ…黄瀬…何があったんだ…」
笠松は血を流している聖知を見て頭が真っ白になりショックを受けていたが…それでも保健室まで足を運び、処置中で中に入れてもらえない黄瀬が外で壁にもたれかかり項垂れていた。
「…………体育館の…倉庫で…
襲われてた…聖知っちが。
俺がきた時には意識がなくて…頭から血が出てて…」
「っ…!
…………俺のせいだ。」
「っ…笠松先輩……何やってるんすか……
今日…一緒にお昼食べる約束してたんじゃなかったんすか!
なんで…っ……こんなっ……」
笠松は事実を聞くと持っていたスマホを落としてしまう。
俺が…スマホを盗まれるから…
俺が1人にしたから…
もっと注意を払っていれば…
激しく後悔をして頭を抱え落ち込んでいると黄瀬は笠松を責める目で見つめる。
いつもそばに居たのに、ずっと一緒にいるのに…
なんで聖知っちが傷ついてるんすか…
すぐそばに居たのになんで守ってくれなかったんすか…
責める目で見つめても…守れなかったのは自分も同じ。
怪我の具合が気になり待っていると先生が保健室から出てきた。
「黄瀬くん…と…笠松君…
とりあえず詳しく話聞きたいから…
中に入ってくれない?」
出てきた先生の顔は険しい顔をしていた。
怪我の具合がそれほど悪いのか…気を失ったまま目覚めないのか…嫌な考えばかりが2人の頭はよぎり緊迫した面持ちで保健室に入った。