第42章 波乱
「あんた…!…何してんだよっ…!」
「っ……痛っ!
このクソガキっ…!」
黄瀬は小林を殴り飛ばすと壁にぶつかった小林は口元に垂れる血を拭い立ち上がろうとすると黄瀬を睨みつけ倉庫にあったバットで殴りかかろうとする。
「っ…!
いい加減にしろよっ…!」
それを避け、襲いかかってきた小林を殴り飛ばして相手がぐったりと気絶したのを見て聖知の元に急いで近づく。
「聖知っち!
どうし…っ…!」
黄瀬は聖知を抱き起こそうとすると手に生ぬるい感触を感じ手を見ると血が付着していた。
小林に倉庫に入れられた時に乱雑に放られて頭を角にぶつけ出血していた。黄瀬は頭が真っ白になり急いでお姫様抱っこで抱き上げ保健室へと急ぐ。
「っ…黄瀬っ…どうしっ…!」
「どいてくださいっ!…笠松先輩!」
体育館付近で笠松とぶつかりそうになり、足が止まる。
笠松も黄瀬が抱き抱えているのが聖知だと知り頭から血を流している姿に言葉を失う。
黄瀬は歯を食いしばり笠松を責めたい気持ちでいっぱいだったが堪えて横を通り過ぎ保健室まで走っていく。