第42章 波乱
退屈
言葉で表すなら…それしか思いつかない。
俺が聖知っちを諦めてから…
まだ1ヶ月しか経っていない……
聖知っちが…すごく幸せそうだったから…
割り込む隙はない…そう思っていた……
…黒子っちの言う見守ることにしてみたけど…
聖知っちと話す度に…
その気持ちは日毎に大きくなっていく。
でも………俺はフラれてるし…
俺の尊敬する笠松先輩と聖知っちは…
お似合いだって思っている自分もいる。
「はぁ……ウジウジしても仕方ないっすよね……
…ん…?……」
俺は1人で昼休みにバスケの自主練でもしようかと体育館の鍵を借りてきた。
鍵を開けると体育館の奥の方で物音がして何気なく音のする方に近づく。
今は使われていない倉庫に誰かが入る様子を黄瀬は目撃する。
主に古いマット、工具や道具などが入っており物置になっていた。
好奇心だったのかもしれない……
退屈だった日々に…刺激が欲しくて……
扉を開けると……
意識がなく倒れている聖知っち…
その聖知っちに馬乗りになっている男…
聖知っちを襲っていた。
一気に血の気が引くのは初めての経験で…
心底目の前の男が憎かった。
俺は目の前の男を殴り飛ばしていた。