第42章 波乱
「聖知ちゃん、こんなとこで何してんの?」
「………小林先輩……笠松先輩を待ってるんです。」
体育館付近に着くとまず聖知はバスケ部の部室に向かいドアを開けようとすると鍵がかかっていた。
部室で話をしていないとなると…体育館で話をしているのだろうか…
体育館の扉を開けようとするとまた鍵がかかっている。
てっきり監督とどっちかで話をしていると思っていたが…すぐに話が終わって来ると思い体育館近くに立っていると聖知にとってはあんまり聞きたくない声で名前を呼ばれる。
「ふーん……笠松なら…職員室で武内と話してたの見かけたけど。」
「…そうですか……」
「約束してたんでしょ…?
俺なら聖知ちゃんみたいな可愛い子1人にしないけど…」
「ッ…やめてください…!」
職員室にいると聞きこのまま待っていようと思っていると午前中のように肩に触らられると手で払いのけて振り解く。
「…聖知ちゃん…これが最後のチャンスかもよ?
俺と付き合ってよ。笠松なんかより俺といた方が楽しいよ?」
「何度も断ってますよね…?
私は笠松先輩以外とは誰とも付き合う気はありません!」
「笠松のどこがいいわけ?
バスケ馬鹿だし…どうせあいつのことだから…
デートとかあんま行ってくれないだろ?
あんな自分勝手な熱血漢ほっといてさ…俺と楽しもうよ。」
小林は小さくため息をつくと聖知には見えないように手を後ろにして薬品を染み込ませたハンカチを取り出す。