第42章 波乱
「おや…水瀬さん…早いですね?」
「……なんの話ですか……桐生先生…」
「………はぁ………茶番はやめましょう。
お嬢様……あなたって人は………
言いたいことは多々ありますが…」
休み時間になると桐生は屋上へ行くと聖知が既に来て待っていた。
眼鏡を外すと深くため息をつき…聖知の学校生活において言いたいことがあったが…今は1番聞きたい話題を切り出した。
「………説教なら聞かない。
約束守る限り…何をしようと私の自由でしょ。」
「……あの小林という男……変な男によく好かれますね…お嬢様は…。」
「変な男は貴方も同じでしょ。
…好きで好かれてるわけじゃない。」
何やら言葉にいつもより棘を感じますね……
この間のことをまだ…引きずってるのでしょうか…
わかりやすいですね…
「…世話のかかるガキのお守りをするためには仕方ありません。……あの小林という生徒にはよく気をつけることですね。彼は根っからの遊び人で危険ですから。」
「そんなのわかってる……その話をするためだけにいちいち呼び出したの…」
「わかってないから申しているのですよ。」
そう聖知に告げると『喧嘩売ってんのか』という目で桐生を睨みつける。そんな聖知の表情を見ても臆する事なく桐生はクスクスと笑いだす。