第42章 波乱
コンコン…
「予鈴…もう鳴りますけど…
教室に戻らなくていいのですか…?」
その場の空気を壊すよう桐生は気配もなく現れ…教室のドアを軽くノックするように叩く。
「「ッ…///!」」
「……?」
桐生の声がすると聖知と笠松はパッと照れたようにすぐ離れて小林は見かけた事ない教師をを見て怪訝そうな顔をして首を傾げている。
「…じゃ…じゃあ…聖知…また昼休みにな…」
「は…はい…いつもの場所ですね。」
「じゃあ…聖知ちゃん…」
「お前はいらねえだろうがッ…!」
笠松は未だに諦めない小林を引きずり3年の教室へと帰っていく。
廊下には桐生と2人っきり。
「水瀬さん。」
「…………」
「次の休み時間…屋上で少々お話が…
もちろん…緊急なので来てくださいね?」
「…………」
教室に入ろうとすると、桐生に呼び止められる。
話というのは恐らく小林先輩のことだろう。
どこまで話を聞いていたのか知らないけど……
なるべく校内で桐生とは話をしたくないため
聖知は無言で教室へと戻っていく。