第42章 波乱
「やっほー聖知ちゃん。」
「小林先輩…何してるんですか……」
「呼び出したの俺…なんだよね♡」
「…は…?
笠松先輩の名前をなんで…ッ…」
「正直に俺だって言ったら来てくれないでしょ?
ほら…デート行こうよ…」
「ちょッ…結構です!
気安く触らないで下さいッ…」
喜んで廊下に出ると待っていたのは小林先輩だった。
騙してまで呼び出され、悪びれる様子もなく肩に手を回されそうになると
私は危機感を感じて相手から距離を取る。
「聖知ちゃん…俺…強引なことしたくないんだよね…」
「…ッ…離してッ…!」
離れようとした聖知の腕を両手で掴み壁へと押し付ける。
嫌ッ…
ッ…抵抗できないッ……
小林の顔がゆっくり近づいてきて顔を逸らして振り解こうとしてもビクともせず目を固く瞑る。
「触んじゃねえッ…!」
もうダメだと思った瞬間…聞きたかった声がするといつの間にか小林先輩の手から離され笠松先輩に抱き寄せられていた。
「か…笠松先輩…?」
「笠松…なんでお前がいるんだよ……」
「聖知…何もされてねえか…?」
「…だ…大丈夫です…//」
「おい…何邪魔してんだよ…」
「うるせえ!
聖知ははっきり断ってるだろ。
いつまでもしつこいんだよッ…」
笠松は小林を睨みつけるとギュッと聖知を抱きしめる。
休み時間のせいか、周りに見られていて聖知は恥ずかしさを感じるも小林と笠松は気にせずお互い睨み合っていた。