第42章 波乱
「では…本日はここまで…」
予鈴が鳴り1限目の英語の時間が終わり桐生はそのまま教師を出ていく。
「…………」
何のために学校に来たのか…
まさか…教師として潜入してずっと監視するつもり…
桐生の真意がわからなくて小さく聖知はため息をつく。
スマホを見ると笠松から連絡が来ていて聖知は小林の件よりも桐生が来たことを笠松にLINEで伝える。
「聖知っち…あの問題よくわかったっすね…
俺…さっぱりわかんなくて寝てたっすよ…」
「……涼太…疲れてるから仕方ないと思うけど…
寝てばっかりいると内容についていけなくなっちゃうよ?」
「そん時は聖知っちに教えてもらうっす。」
「……いや…そういう…」
「水瀬さん…あの…廊下に笠松っていう先輩が…呼んで来てって頼まれたんだけど…」
「…え…笠松先輩が…?」
涼太は授業中よく居眠りをしていて、前の中間テストの結果もあまり良くなかったことを知っている。
練習で疲れてるのは知っているけど…居眠りすることで授業についていけるのか正直心配だ。
中学の時も赤点取って追試前日に図書館で勉強を見た記憶がよみがえる。
涼太もいざとなったらそれを当てにしているのがわかり…注意しようとするとクラスメイトの女子から笠松先輩が来ていると聞き急いで廊下に出ると全く違う人物がそこにいた。