第42章 波乱
……節操のないガキたち…
…めんどくさいですね…
そんな気持ちを押し殺しニコッと微笑みソワソワしている生徒たちに優しい口調で話し始める。
「皆さんは、お元気な方が多いですね…
初日ですから…特別にお答えしましょう。
趣味は写真や読書、
好きな食べ物は、クラムチャウダー。
くすっ…恋人は…秘密です。」
まあ、嘘ですが。
話し終えるとクラスの女子生徒から黄色い歓声が上がる。
お嬢様を除いては……
なんですか…その顔は……
まるで汚いものを見るような目はやめなさい。
そんな顔してるのはお嬢様だけですよ…
クラス中の女子から熱い視線が送られる中…桐生の話を聞いて顔色を青くして気持ち悪そうに表情を浮かべているのは聖知のみ。
本性を知ってるからこそ、聖知はなるべく見ないようにして窓の方へと視線を映す。
「では……遅くなりましたが…授業を始めます。先程校長先生から…このクラスには首席入学、また前回の中間テストで学年トップの成績の方がいると聞いています。たしか……水瀬聖知さん…でしたね…?」
「………それがどうかしましたか…先生…」
「ちょうど今…応用問題で終わってますので…
52ページの長文英語の問題答えてもらえますか?」
「…はい。」
怖い顔ですね…
他人のフリをしろと言ったのはお嬢様なのに…
ニコッと微笑みながら話しかけると聖知は持っていたペンを強く握り一瞬相手を睨みつけると作り笑いを浮かべ返事をして席を立つ。