第42章 波乱
海常高校…
よもや再びここに舞い戻ってくるとは…
思ったより早かったですね……
「桐生先生…急なお話を引き受けて下さり感謝しております。」
「いえ…前任の先生は急遽退職されたと聞きました。
私でお役に立てれば何よりです。」
まぁ…そうなるよう仕向けたのは私ですが。
井原先生には名門校への就任を斡旋すると言えば喜んで退職していただきました。
2つ返事で了承するとは…チョロいですねぇ……
今日から…また…クソガ…失礼…お嬢様の面倒をみることになって骨が折れそうです。
校長に案内され教室に入ると席を立ったり、机の上に座ってる生徒がいたりとして教養の悪さに小さくため息をつく。
「…ッ…」
聖知は桐生を見ると驚いて持っていたペンを落とした。
くすっ…わかりやすい反応ですね。
納得はしていませんが…お嬢様との約束は守りましょう…
ただし…ここにいるからには……少し試させてもらいます。
「では、何か質問はございますか?」
「はい!先生は、恋人はいますか?」
「好きな食べ物ってなんですか?」
「趣味はありますか?」
桐生が自己紹介を終わらせて質問を投げかけるとクラス中の女子が手を挙げて質問攻めの嵐になる。
黙っていて性格を除けばイケメンの部類に入るためクラスの聖知を除く女子は若くてカッコいい先生が担任になったとザワついている。