第42章 波乱
「………聖知っち…
…誰も来ないっすね……
今日1限目って自習だったっすか?」
「………いや…
確か…英語だったはず…」
予鈴がなってSHRにも誰も来ず授業が始まる時間になっても教員が教室に来る気配はない。
誰も来ない教室がざわつき始め、学級委員のクラスメイトが職員室へ聞きに行こうとした矢先教室の扉が開き校長と一緒に入ってきたある人物に驚いて聖知は持っていたペンを落とした。
………なんで……
桐生がここに………
「静かに…早く席に着きなさい!
この度…担任の井原先生が…
急遽一身上の都合により退職なされました。
急なお話にはなりますが…
今日から皆さんの担任に就任される桐生先生です。
では、先生…あとはよろしくお願いします。」
校長はそう言うとすぐに教室を去っていく。
「初めまして。桐生と言います。
今日から皆さんの担任教師としてよろしくお願いします。」
ニコッと微笑むその姿は聖知にとってただの作り笑いに見えていた。
目線は聖知の方をじっと捉えていた。