第42章 波乱
早朝の練習が終わり聖知は教室に向かうと…
見覚えのある人物が待っていた。
「おはよう。聖知ちゃん。」
「せしるっち…誰っすか……」
「……おはようございます。小林先輩。」
「ねえ…今から授業サボって俺とデートしようよ…」
「結構です」
「そんな…即座に断らなくても…ガードが固いなあ…
少しくらい…俺の事…考えて欲しいな…」
小林は教室の前で待ち伏せして教室の扉を通さないように遮っていた。聖知から相手にされず、そんな聖知を目を細めて見て触れようとして手を伸ばす。
「…先輩…もうすぐ授業始まるんで。」
黄瀬は昨日話していた奴だとすぐにわかり、聖知の腕を掴み強引に教室へと一緒に入っていく。
「チッ…」
その様子を見て小林は黄瀬を睨み自分の教室へと戻っていく。
「ありがとう…涼太…」
「昨日言ってた小林ってアレっすか…
なんかチャラいっすね……」
「まさか教室まで来るとは思わなかったけど……」
小林が去っていくと聖知はホッとして黄瀬にお礼を言う。
でも…あの様子なら…諦めてない気がする…
もう来ないといいけど……
しかし、聖知のその考えは…
後々甘いものだと知る事になる。