第41章 新コーチ
「ごめんなさい…笠松先輩…
……一緒に帰れなくて…」
部活が終わり外へ出ると、父である瑛一が待っていた。
聖知は笠松と一緒に帰れそうになく…近づいて謝る。
「…仕方ねえって…
1週間しか時間ねえんだし…一緒にいてやれよ…
それに………一緒に帰ったら……
……殺しそうな勢いだろ………」
「………ごめんなさい…
帰ったらよく言っておくので…」
笠松と話をしていると瑛一はイラついたように待って終始鬼の形相な顔で笠松を睨みつけていた。
聖知が振り向くと瑛一は顔をプイとそらしている様子にまるでどっちが子供なのかわからない。
ため息をつくと聖知は笠松から離れて不機嫌にしている父親と帰る。
「おせえよ……いつまで話してんだッ…」
「笠松先輩…いつも送ってくれるから…
ちゃんと伝えないとダメでしょ…」
「おまッ…い…いつもって…
…夜な夜な2人っきりで歩いてんのか⁉︎」
「…じゃあ…夜道1人で帰った方がいい…?」
「いや……それは………」
マンションまでの帰り道…ギャーギャー騒ぐ父である瑛一に聖知は呆れ、部屋に入ると徐に瑛一が正座でテーブルの前に座る。